職場の教養 2001年4月号 No.304
朝礼で社員の美点発掘
■葛゚田会計事務所
・青森県八戸市根城八丁目6−11
・(青森県八戸市倫理法人会)
午前八時、青森県八戸市にある葛゚田会計事務所の五十二名の社員たちの出勤時問だ。
通常の業務開始は八時三十分の朝礼からだが、三十分前には、ほぼ全員が集合し、それぞれが雑巾、ほうき、掃除機を手に、社内外の徹底した清掃が行なわれる。
現在、同社が税務、会計監査を行なっている企業は青森県内を中心に約六百社。得意先企業の心臓部ともいえる経理部門に深く関わる同社の社員たちには、単に数字に強いだけではなく、得意先との万全の信頼関係が何より求められる。
徹底した清掃を実行することで、自社を愛する心が自然に芽生え、それが行意先に波及していく。清掃の隠れた効果の一つである。
「こういう仕事(会計業務)をしていると、まれにですが得意先から作為的に税金を安くできないかなどの相談を受けることがあります。しかし社員たちはすぺて断ります。得意先のためになりませんから。正当に業務を遂行し、きちんと納税をしなくては、本当の意味で企業の繁栄はないのです。もちろん節税のアドバイスは親身に徹底して行ないますが」 と近田雄一所長。
30分間に及ぶ朝礼には、人間教育に必要な多くの要素がこめられる
昭和四十五年に創業した同社の倫理法入会との出会いは平成元年。本誌『職場の教養』が、「朝礼を人間教育の場にするため教材を探していた」と言う近田所長の日にとまったのがきっかけだった。
午前八時三十分、司会の元気の良い声とともに朝礼がスタート。朝のあいさつ、三分間スピーチ、本誌の輪読と感想、『万人幸福の栞』輪読、各課からの報告・連絡事項、所長スピーチと流れるように進んでいく。全社員が参加しての合同朝礼はここで一旦終了し、続いて各課ごとに「ハイ」の練習とあいさつ実習が行なわれる。最後の締めくくりが、「美点発見」だ。その課ごとに社員たちが上司・同僚・部下の美点を毎回五つ発表する。三十分に及ぶ朝礼には近田所長の願う人間教育のエッセンスが多く含まれている。
まだ春の遠い東北だが、同社にはいつも温かい電話応対の声と笑顔があふれている。